中国平均月収と高まる教育熱

2017-04-22

中国がものすごい教育大国であることはご存知でしょうか。幼少期から熾烈な教育戦争が存在します。よりよい未来を夢見て、勉学に励みます。また、家庭では我が子のために家庭収入の多くを子どもの教育へ割くこともよくある話です。

僕だったらノイローゼで倒れちゃうかも…というぐらいらしいよ

今回の記事では平均月収を中国国家統計局と民間のデータから、児童教育の教育費例と併せて書いてみました。

中国人の教育熱

この問題を調べてみようと思ったきっかけは、私が勤務する大学で日々同僚が口々にこぼす教育についての話題からでした。皆一様に子供の教育の話でもちきりです。

ある同僚のお嬢さんは飛び級で国家重点中学に入学した秀才です。入学前は「 英語 、バレエ、ピアノ、数学オリンピック、習字」と1週間休む暇もなく習い事をさせていたそうです。中学入学後は数は減ったものの、休みの日は習い事で埋まります。このような子供は今の中国では珍しくありません。

ちょっと話は変わりますが、大学生に大学の教育について尋ねることがあります。スケジュール表をご覧ください。

学校によって授業の始まる時間終わる時間が違いますが、一般的には午前が4コマ、午後4コマ~という感じです。このクラスの学生は平日朝から15時過ぎまで授業がぎっちり入っていることになります。

これをどう見るか味方はいろいろですが、私は多いと思います。さらに、日本とは違い大学生なのに朝の自習や夜の自習がある(全てのクラスではない)ので大変です。しかし、それでも「高校に比べたら楽だ」とほとんどの人が言うのでどんなに中国の高校が大変なのか想像できます。

中国は中高でも全寮制の学校が多いのですが、特に江蘇省、山東省等教育熱心省では朝6時前に起きて7時頃から朝の自習がスタート、朝ごはんを食べてすぐに授業が始まり、昼ご飯を挟んで夕方まで授業、晩御飯を食べた後、夜7時8時まで授業、自習を入れると9時、10時にやっと終わるというところも少なくありません。それほど受験戦争が熾烈です。

こんな状態ですから、子供の時から少しでも子供にスキルと学力をつけさせようと必死になるのもわかりますね。子供の頃からしっかり学ばせておけば進学がそのぶん容易になります。

しかし、ここで気になることがあります。お金の問題です。現在中国の教育にかかる費用は高騰しています。これをどうやりくりしたら払えるのでしょうか…

中国平均月収はどのぐらい?

国家統計局データに見る収入

※ 引用:中華人民共和国国家統計局「居民収支基本状況

こちらは中国国家統計局が毎月行っている調査から算出された居民収支基本状況です。上から国民一人あたりの年間平均収入、前年比、都市戸籍居住民の平均年間収入。尚、こちらの値は「可支配」ですので、納税後の自由に使える金額、手元に残る額となります。

人均可支配收入とは…

(世帯総収入-所得税-社会保障費-諸手当)÷家族人数

総収入を見ると30,733元、12ヶ月で割ると一ヶ月あたり2561元です。こちらの値は居民の平均で上の説明にもあるように対象は全ての中国国民ということになります。また、都市部の場合は、総収入42,359元、1か月あたり3,529元です。

(※2020年4月4日現在日中レートは1元15.2945元)

実際に仕事をしている人数を半分と考えると就業者の平均は5,000元、都市部7,000元ほどになるかと思います。蘇州市の専科大学(3年制の大学)からの新卒初任給が3,500元位ですので、やはりだいたい上記の値くらいが平均でしょうか。

しかし、ここで疑問なのは夫婦共に仮に平均5,600元の収入だとして子供の教育資金が賄えるかということです。先程ちらっと同僚の娘さんの話をしましたが、学校外の塾や習い事にかかる額が高いのです。尚、小中高大の各学費は非常に安いです。

子供の教育への投資金額

私がいる蘇州市は江蘇省に属しますが、もともと江蘇省は教育省と言われ、幼い頃から学校の教育熱が高い所として有名です。

最近ではいくぶん良くなったともききますが、中学校や高校では生徒の楽しみにしている「音楽・体育・美術」などの授業はほとんど試験科目に変更になり、学園祭や遠足などのイベントはもちろんなしという状況です。小学校はさすがにそこまでではないようですが、前述のようにいい学校へ入るため放課後もたくさんの習い事をするわけです。

現在都市圏を中心にその傾向はより加速しています。前述の同僚は1年間で子供の教育費(学校外)に使うお金は4万元をくだらないといいます。

  • ピアノ 250元/時間
  • 数学  100元/時間
  • 習字  50~100元/時間

それぞれこのくらいの額であると考えると4万元を超えるというのも納得です。

小学4年生夏期講習特別コースの募集記事

こちらは「 新東方 」という有名な予備校で募集されている小学4年生夏休みの英語コース(16日間)です。詳細を見ると、1日2時間で全15日のコースです。1日あたり160元、1時間あたり80元ということになります。他にも諸経費がかかるかもしれませんが、この額をどう感じますか。

やはり気になるのがお金、わずか15日で給料の半分がなくなるわけです。これをいくつもかけもちしていたら、収入のほとんどを教育費に使うことになりますよね。やはり4万元というのも嘘ではなさそうです。しかし、一家の生活に支障はないのでしょうか…

人材紹介会社発表の平均給与

2019年冬季中国都市別平均給与の値です。

(画像:智联招聘2019年冬季求职平均薪酬)

こちらは「智聯招聘」という求人情報サイトを運営する会社が出しているデータです。こちらに掲載された大都市の値は国歌統計局の数値を2倍にしたのと同じぐらいですね。実感ではおそらくこの辺が実情に近いのではないかと思います。

また、中国では副業が禁止されていないところが多いようで、上記の数字にプラスαの収入になるかと思います。そうでないと高い教育費も払えませんからね。

 中国のホワイトカラー

先日(執筆時)日経新聞に掲載された記事に対し、中国の多くのメディアが反応していましたが、その元文です。

中国のホワイトカラーの所得、日本を超える

上記の題は中国語からの直訳したものですが、日本や海外に『爆買い』を巻き起こした実情だと思います。

第一个例子是家住广州的刘女士,43岁,她以前在广州市内某日系银行的关联企业工作,“2015年6月辞职,当时的月薪为税前2万6千元。每年还能拿到相当于3个多月工资的奖金,年收入合计约为40万元。”加上刘女士的丈夫,就达到了家庭年收入90万。刘女士是1996年进入一家汽车相关日企工作的,当时工资1300元,20年来工资涨了20倍。

一例目は広州在住の女性劉さん、43歳。以前は広州内にて某日本の銀行の関連企業に勤めていたが、15年6月に辞職。当時の給与は額面2万6千元だった。毎年3ヶ月分のボーナスもあり、年総計40万元の収入があった。夫の収入も合わせると90万元にも達した。劉さんは1996年に自動車関連の日系企業に勤めていたが、当時の給与は1300元、20年で収入は20倍へアップした。

另一个例子是也在广州上班的余先生,39岁,“从四川省的一所普通大学毕业后,也是经过三次跳槽进入了现在的公司。入职大约2年半左右,现在的月薪为3万5000元,再加上奖金,年收入约为46万元。

その他の例は広州の会社に通う余さん、39歳。四川省にて一般的な大学を卒業後、3度の転職を経て現在の会社に就職した。転職して2年半が経つが現在の給料は3万5千元、それにボーナスを加えると年間所得は46万元に達する。

このような人たちはもちろん一部で、ホワイトカラーだからといっても全てこれほど高給取りであるわけではありません。しかし、中国14億人の人口ですから、一部だとしてもすごいです。

爆買いしたくなるのも納得できます。

ジムの専属トレーナー料金

少し余談となりますが、社会人利用の多いトレーニングジム についてお話します。運営会社によっても料金体系は違うのですが、私が通っているジムを例に、ご覧ください。

ジムの利用料…

  • 大手スポーツジム:2000元~/1年、4000元~/3年
  • 金吉鳥(私入会):2700元/3年

いかがでしょうか。施設利用料は安いと思われませんか。

しかし、これとは反対に専属トレーナーのレッスン料が異常(個人的にそう感じました)に高いのです。トレーナーとは言っても、それほど専門性があるようには見えないのですが、少し話を聞いてみることにしました。

ジムのトレーナー

360元/1レッスン(1時間)

中国人の友人も、他の日本人もだいたい300元くらいを提示されたと言っていました。日本の相場があまりわからないのですが、他の物価と比べて高く感じました。しかし良く考えてみると音楽スクール、ダンススクール、料理学校、水泳教室等習い事のレッスン料は子供に限らず皆高いのです。

つくづくお金に余裕がないと余暇を楽しめない国だと感じます。ちなみに、トレーナーに直接給与について尋ねました。平均給与(インセンティブなど込み)14,000元ということです。。。高給取りですね。す…。

まとめと感想

中国都市部の平均所得は年率6%ほどずつ増加していて、それに比例して子供の教育にもお金が回っているようです。日本以上に受験戦争が厳しく人数も多いため自然な流れなのかもしれません。

今の中国の子供は多才な子が多いです。幼い頃から英才教育を受けてきていればこのような子供が多いのも納得ですね。子供の立場に立ってみればかわいそうな気もしますが…。

お読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人
JUNP

2008年から中国で日本語教師をしています。日本語教師のリアルな生活、中国で楽しく快適に暮らすアイディア、節約貯蓄術などを書いていきたいと思います。
 最近はガジェットやプログラミングにも手を出しています🎮