中国人の結婚観と不動産バブル崩壊の関係

2017-10-07

中国不動産バブルの終わりと経済の崩壊が議論され始めてから久しいです。

しかし、未だその影は潜んだまま…実は中国人の結婚観念がこれらを阻止している実態があります。

先日、日本経済新聞中国語版にこんな記事がありました。

(http://cn.nikkei.com/columnviewpoint/column/24377-2017-04-28-04-55-00.html)

2015年に「中国3000万人独身の危機」が話題になったのですが、それについての記事です。この3000万人の独身とは男性のことを指します。

何をもっての独身の危機か、結婚観と不動産の関係とともに、具体的な中身を見ていきたいと思います。

中国の結婚観

中国には何をするにも 2つの重要な優先概念 があると思います。一つはメンツ、もう一つは家族中心です。

家族間の結びつきは非常に強く日本では考えられないほどです。こと、結婚の話になると結婚する当人以上に家族が必死になるということがよくあります。

親が公園で結婚相手を探すなんてこともあります。

家族の結びつきが強いということとメンツ、つまり自分の子供が家族を持ち社会的に一人前になったという証をもちたいのかなと思います。

結婚する前に必要なこと・もの

日本では結婚するまでに婚約や結納を経ますが、これは中国も同じです。

中国語では「订婚」という儀式を行います。

日本の場合

結納自体しない人もたくさんいますが、する場合

・結納品
・結納金(50万円、100万円位)

これらを準備の上、両家の両親、仲人在籍のもと(正式な場合)婚約を行いますよね。

中国の場合


中国でも行わない人もいますが…

・五金(三金のところが多いようです)
・彩礼(日本の結納金に当たります)

これらは結納を行う行わない関係なく渡すものですが、地域により物も額も違ってきます。

五金』…指輪、ネックレス、ブレスレット、イヤリング、アンクレット

前半3つが「三金」です。基本的には『金』とつくように金製のものだそうですが、よほど裕福じゃないと難しいですよね…。

彩礼』…地域により違いますが、1万元くらいのところから20万元くらい
(17年5月1日現在1元は16.2円)

掲示板にこの額についてきいているところがありましたので、ちょっと掲載してみます。


顔合わせに1万1千元、婚約に4万6千元、洋服セット、三金


私と彼は婚約の食事を予約する以外何もなし


山東冠県は全てにかかるお金は8万元いかないくらい。服代、三金、会場代、宴席代


浙江省台州は結納金に20万元、三金、その他はなし


湖北人。婚約当時だいたい7万元だった。三金無しで、女性に洋服を1セット買った


近々結納するんだけど、三金と洋服2セットと1万1千元、私のところではかなり少ない額


私の故郷では結納に8万8千元、結婚前にもう一度18万8千元。三金とか家具は含まない、それから服、携帯、支払い済みの持ち家、車

こうしてみると、差がかなりあるのがわかります。三金か結納金どちらかだけ払えばいいところ、あるいは両方なし、両方いるというところもあります。

それにしても驚くほど高いと思いませんか。明らかに日本より高くなるケースが多いです。

そして、注目したいのが最後の投稿部にある『持ち家』『車』です。

中国の場合 – 2

『持ち家』『車』

この2つは現在の中国でごく一般的な考えです。この2つが無いと結婚できないのです。基本的には男性側が用意するものですので、先程の結納金等と合わせたら信じられないほどのお金が必要であることがおわかりかと思います。

もちろん20代そこらで、これに十分な貯金があるはずもありません。給料の平均は5000元くらいのものです。(詳しくは過去の記事で書いていますのでご興味のある方は御覧ください。)
中国平均給料と教育事情

そこで、やはり家族の助けが必要になってきます。持ち家は一括で支払うのはごく一部の人を除いて不可能ですので、頭金のみを払って購入します。残りはローンです。車は買い与えます。(びっくりしますが町中は外車ばかり走っています…。)

中国の不動産価格と結婚の関係

御存知の通り中国に土地の所有権はありません。「70年」の土地使用権のみを有し、時が来たら国家に返す必要が出てくるのです。

それでも、住宅事情は活況を見せています。政府のコントロールにより一時的な下落はありますが、まもなく上昇に転じます。これにはいろいろな理由があります。

・常に投資の対象として物事をみている
・メンツ、プライドの現れ
結婚時に欠かせないという考えがある

これまで右肩上がりに不動産価格があがってきたこと、マンションをいくつ保有しているかで自身の格が上がると信じていること等あります。それに加え、3つめの『結婚に欠かせない』という考えが大きいのです。

つまり、結婚適齢期の男性が多ければ多いほどマンションは売れるということになります。

 中国出生率データ

もう一つ冒頭でご紹介した記事との関連してお伝えします。中国では昨年、長年の政策を変更し、『一人っ子政策』はようやく終了しました。これには少子高齢化の危惧等大きく影響していると思いますが、もう一つ重要なことが有ります。

これは女性100人に対しての男性数を比率で表したもので、中国国家統計局の発表しているデータです。

出生時の男女比率が116:100と男性が多いのです。ちなみに正常な値は102~107と言われています。日本は105くらいです。

中国でこの比率が現れる理由は特に農村部で男性が重視されるため、妊娠時に非合法ながらも男女検査を行い、女の子の場合堕胎するということがあったからです。また一人目の子供が女の子の場合、もう一人、二人と男の子が生まれるまで子供を作るという背景がありました。反対に、一人目が男性の場合、二人目は作らないのです。

冒頭の「3000万人独身危機」というのはここから来ています。つまり、男性が圧倒的に多いため、女性が全て結婚したとしてもはみ出る男性がいるということです。ただし、現在は「一人っ子政策」が廃止されていますので、今後は多少、正常な方向に向かうかもしれませんね。

話が蛇行してしまいましたが、この男性が多いという現状はある意味、不動産の価格上昇を後押ししているとも言えます。年齢適齢期の男性とその家族が、結婚するために家と車を用意するのです。

まとめ

不動産価格がなかなか落ちない理由の一つとして、結婚観家族観が影響していることがわかります。結婚するために家が必要となれば家族一丸で家を買うわけです。

また、政府も土地の接収と売却で財政を保っているところがありますので、何がなんでも不動産バブルの崩壊は許さないでしょう。一人っ子政策の廃止もある意味その中の一つの政策でした。

しかし、現実には、すでに家が買えない人がたくさんいるのも事実です。数年前には 「裸婚」 という言葉も流行りました。何もないまま結婚することです。これが一般に浸透するとなれば不動産の需要が下落することになり、ひいては経済の崩壊にも繋がりかねません。

政府は今後いろいろな政策をしていくことと思います。

お読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

JUNP

2008年から中国で日本語教師をすること早10年。中国でできないツイッタ-始めました。よかったらフォローお願いします。

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