中国の大学生一か月の生活費と学費

2017-09-07

日本の大学生の経済面は学費やアパート代は家族に、交際費等その他生活にかかるお金はアルバイトをして、また人によっては奨学金を利用して賄っている人が多いと思います。では、お隣中国ではどうでしょうか。

中国でもお金のかかるシーンは日本とさほど変わりません。学費、寮費(アパート代)、食費、趣味や人付き合い等ですね。中国の大学生はどこにどのぐらいお金を使い、どのように暮らしているのでしょうか。

また、中国の大学生の遊びなどもあわせてご紹介します。

 大学のシステムと日本との違い

中国の大学の基本

大学入試『高考』

中国の大学は6月に行われる高考(ガオカオ)と呼ばれる全国統一試験の結果で決まります。完全に一発勝負なのですが、学歴社会の中国にチャンスは一回とはなんとも残酷ですね。

入試に関する補足

「単挑(dantiao)」と呼ばれる、面接と高校の成績のみで受ける試験もあります。これは高考の前に行われますが、おおよそ高考に高得点を望めない学生、受けたくない学生が受験するケースが多いようです。

大学のランク分け

2017年より廃止になりましたが、大学にはランク付けがありました。

  • 「一本(イーベン)」 ・・・ 北京大学や清華大学のような有名校
  • 「二本(アルベン)」 ・・・ その下に位置する各都市の比較的名の知れた学校
  • 「三本(サンベン)」 ・・・ 一本、二本大学の付属校として独立し「○○学院」という名前が多い
  • 「専科大学」 ・・・ 日本で言う短期大学(3年制)にあたります。
ランクに関する補足

省によって制度が異なるようですが、専科大学の学生は学士の学位を得るために、「専転本」や「専接本」という大卒資格取得制度を別途並行して受講することができます。

このランク分け自体は今では廃止されていますが、意識の中では残っています。また、重要なことはこの区分により学費が変わってくる点にあります。

中国と日本の大学の違い

中国の大学が日本と大きく異る1番は全寮制をとっている学校が多いことです。これは大学に限ったことでなく、中学校、高校も同様です。私の勤める大学でも全寮制で、学校校内に数十棟の寮があります。ここで寝起きを行い、近くの食堂で食事をし、校舎で授業を行い、寮へ戻るという流れです。

日本と違うポイントをご紹介します。

  • 4人以上/一部屋 の寮住まい
  • 寮は門限がある
  • 授業が厳しい(出席重視の場合が多い)
  • クラスは担任がいる
  • サークル活動が日本に比べて活発ではない
  • アルバイトをする学生が少ない
  • クラス対クラスの合コンがある(パーティーのようなもの)
  • 飲み会などは少ない
  • 経済的な理由にもよるが、友達同士の旅行が少ない

何にしろ、基本は寮なので、様々な管理と制約があります。高校の延長といった感じです。

中国大学生1ヶ月の生活費と学費はいくら

中国の大学生は寮住まいであることが多いこと、アルバイトをする人が少ないこと、この点が学校に支払う学費と、普段の生活費に大きく影響がありそうです。それでは早速見てみましょう。

大学にかかる費用

いろいろな出費があると思いますが、代表的な「学費」と「寮費」に絞ってとりあげます。

学費

先ほど学校ランクが4つ存在したとお話しましたが、この区分けで学費の違いがあります。

「三本」が他の区分の大学に比べ学費が高い傾向にあります。これは国公立である一、二本が私的に開校している学校であることに起因します。おそらくですがキャンパスを構える自治体、あるいは国から補助金が少ないのでしょう。

実数の公開がないため、おおよその値になりますが、文系の一般的学部の場合「三本」以外は4000~6000元/年間、一方「三本」は10000元/年間ほどになるようです。この10000元という数字は、それ以外の区分で「音楽、美術、医学」など学費が高い学部のものと同じ額です。

参考としまして2020年5月19日現在の円元レート(1元=15.11元)で計算してみましょう。

  •  4000元  ➡  60,440円
  •  5000元  ➡  75,550円
  • 10000元  ➡  151,100円

こうしてみると、中国の学費は非常に安いことがわかります。4000元であっても、10000元であってもそんなに変わらないのでは?そんな感じがしてしまいますよね。実際平均所得で考えてみてもやはり日本に比べて割安だと思います。

しかし、中国といえば格差と学歴社会です。貧困家庭も多く存在しますが、学歴社会ゆえに大学へ入れたいと思う気持ちはお金持ちと変わりません。こんなことがあります。

高考で一本、二本の大学に合格できる点数をとれた場合はいいのですが、それに満たない場合が問題となります。本来「学士」のとれる三本に入れたいところですが、学費が高いため「修了証のみ」の専科大学に行くという事例があります。それだけの経済状況の家庭もあります。

寮費

では寮費を見てみましょう。中には学校外のアパートを借りたり、何らかの理由で通学をしている学生もいますが、今回は大多数の寮だけにスポット当てお話します。

寮の間取りは似たりよったりのようですが、ベッドの形態が違うようです。

  • 二段ベッドの上下に一人ずつ寝て、勉強机が対面にあるタイプ
  • 二段ベッドの上が寝床、下が勉強机になっているタイプ
寮費の目安

年間800元から~1,500元が一般的

非常に安いですね。年間2万円ほどで寝床が確保できるわけです。しかし、残念な点があります。それは給湯器です。

一般的に寮には給湯器がありません。飲水などは給湯ルームにいきポットにため、お風呂は寮外の共同シャワールームに浴びに行く必要があります。電気製品は自由に使うことができず、炊飯器、IH、電子レンジなど調理器具、ドライヤー洗濯機も使えません。使うとブレーカーが落ち、寮母さんが来て没収となります。

大学生の生活費

日本の大学生の場合

中国の大学生について見る前に比較対象として日本の大学生の状況を見てみましょう。

日本の大学生月当たりの生活費グラフ

こちらは『大学生の一人暮らしの平均生活費|仕送りやアルバイト代などの費用を解説!』さんのアンケートを参考にさせていただきました。

尚、最新のデータでも平成28年のものしかないのですが、日本学生支援機構の行う学生生活調査によると、大学生の生活費平均は年間690,800円でしたので、1ヶ月あたり約5.7万円という結果になります。(※ 共に家賃抜きの金額です)

中国の大学生の場合

今回参考にしたデータは中国校园教育の「全国各地大学生生活費統計」です。

私が住むのは江蘇省蘇州市ですが、経済的には非常に進んでいて、中国全土では上位にランクインします。その蘇州市にある大学に勤めているのですが、1,500元前後が多い印象です。中には2,000元以上をもらっているという子もいましたが、上のデータは少し多すぎるのではないかというのが私の実感です。

北京や広州に関してはいくら物価が高いと言っても高すぎな気がします。

どんな物にお金を消費しているか

勝手な推測で、お金の使いみちを考えてみます。

消費先の目安

  • 食費 … 1,054元(朝…7元、昼…12元、夜…15元)×31日 
  • 携帯通信代 … 50元
  • 娯楽交際費 … 200元
  • その他 … 200元~(生活必需品、本、交通費、服等)

勝手にシミュレーションしてみましたが、「1,500元」という結果になりました。。ごくごく普通の生活だとこのぐらいになるかと思います。ちなみに私は毎月2,300元から3000元前後使っているかと思います。

大学生身の回りの物価

大学生が行く場所・遊ぶ場所の代表の値段を見てみましょう。

  • カフェ … アメリカンコーヒー 20元前後/杯(スターバックス等では日本と同じ額)
  • ケンタッキー … 日本にありそうなセットの物(鶏足、フライドポテト、飲み物)だと35元/セット
  • カラオケ … 部屋の大小も様々、値段も幅広いです。クーポン利用で59元(店頭320元)ぐらい~
    (中国のカラオケは部屋料金です。)
  • 映画 … 映画館によりまちまちですが、私のいる蘇州は35元位です

中国の大学生の生活はどう

日本の大学生は本業の勉強よりアルバイトやサークル活動に精を出している人が多い気がします。中国はどうでしょうか。

アルバイト

中国ではアルバイトをするひとがとても少ないです。夏休みや冬休みなどまとまった時間を使ってする人は少なくないですが、学期間においてはクラスの数%しかいないのではないでしょうか。

これは授業が忙しいのが原因です。日本でも理系学生が研究、実験が忙しいのと同じような状況です。授業がみっちり入っています。私の勤める学校でいうと、2年生の1学期には平日は毎日8時15分から午後15時10分まで、その後も選択科目が入っているといった状況です。1年時にはそこまで多くないのですが、夜は18時から「晩自習」というものがあり、教室に行かなければなりません。

これではアルバイトもなかなかできません。

サークル

中国では「社団」というサークルに似た組織があります。日本と同じように、運動系のものから文化系などの他、日本語教会など勉強に関するものやボランティアをする集まりもあります。しかし、数はそれほど多くないようですし、活動をちゃんと行っているものも少ない印象です。

私のよく聞くサークルはボランティアサークルで、駅やイベントの手伝いに行っています。これは単位や奨学金へ役に立つという面も大きいようです。

合コン・飲み会

大学1年生のときに「联谊」という合コンのようなパーティーを行うことがあります。しかし、あまり楽しくないようで、1回のみでだいたい終わるようです。その他はクラス会を行うところもあれば、しないところもあり、まちまちです。

日本のような合コンの話はあまり聞きません。

この記事を書いた人
JUNP

2008年から中国で日本語教師をしています。日本語教師のリアルな生活、中国で楽しく快適に暮らすアイディア、節約貯蓄術などを書いていきたいと思います。
 最近はガジェットやプログラミングにも手を出しています🎮