中国大手家電メーカー小米(シャオミ)日本語専攻学生を排除
『鄭州大学日本語専攻学生就職説明会で差別を受け、関係者公開謝罪』
スマートフォンで有名な中国の小米(xiaomi)社が会社就職説明会で日本語専攻の学生を追い出すという騒動がありました。後日謝罪、収束に至りましたが、これに至る経緯と中国一般人の反応はどうだったのでしょうか。
9月24日人民日報のブログに投稿された記事とコメントを参考に見ていきましょう。
(24日11時16分に投稿されたこちら、翌日25日15時43分時点でコメント17610件、リツイート4406件の反響)
騒動のあらすじ
9月22日河南省の省都、鄭州大学にて北京小米科技有限公司、通称シャオミの就職説明会が開かれました。
この説明会の中で、自称イノベーション企画部責任者、秦氏が発言します。
「もし、英語やアラビア語の学生であれば大歓迎です。海外市場がありますからね。でももし、日本語専攻の学生がいたら、どうぞ出て行ってください。映画事業でなら仕事を与えてもよいですが」
これを聞き会場にいた200名からは爆笑が沸いたといいます。
1・日本の映画 = アダルトビデオ
2・日本語ができる役 = 反日戦争映画
(※ 謝罪文書から1の意味であることがわかりました)
これに対し抗議の声があり、23日当職員は謝罪を行いました。そして、更にウェイボー(ミニブログ)上で文書を出すに至ります。
騒動当事者の謝罪文書
学生の皆さん、こんにちは:
まず、本日午前みなさんの前で謝罪を行いお許しをもらえたこと、また償いのチャンスをもらえたことに感謝いたします。
昨日講演の場で、日本語専攻の学生に対し不適切な発言があったこと、それによりみなさんの感情を傷つけ悩ませてしまったことに対し深くお詫びいたします。私の発言により、皆さんに日本語専攻の学生を受け入れないと間違った情報を与え、公平な扱いでないと思われたでしょう。また、日本語専攻の学生は日本に行って映画産業に従事すればよいという発言ですが、あれは場を盛り上げるためのものでしたが、皆さんを傷つけることになりました。
皆さんからのコメントを真剣に読みました。そして、深く反省いたしました。私の不適切な発言がみなさんの心を傷つけ、みなさんの就職活動に困惑を与えたこと痛感しました。今回の事の全ての責任は私にあります。この場で皆さんに深くお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした。
皆さんからの意見ありがとうございました。自分の至らぬ点、小ささを思い知りました。孔子は言いました。『正直な友達をもち、誠実な友達をもち、博学な友達を持つことは有益である』。みなさんのような友達が私を律してくれ、また助けてくれました。この場で心から言いたいです。皆さん、ありがとう。
(参考:新浪weibo 人民日報 9月24日「郑大日语专业学生应聘小米遭歧视,相关人员公开道歉」)
この騒動に対する中国人の声
冒頭で書いたように、この記事への反応は大きく、たくさんの一般中国人の声が上がりました。
「いいね」数が多い物から一部をご紹介します。
関連情報
鄭州大学について
鄭州大学は昔都のあった河南省の省都にある国立大学です。
創立は1956年、2017年には1流大学の名誉を与えられています。
(参考:大学生必備網)
河南省内の大学ではトップ、全国でもランキングで47位につける一流大学です。
シャオミについて
2010年会社創立 北京小米科技有限責任公司
CEO 雷軍
スマートフォン事業で大成功をおさめ、中国のアップルと呼ばれる時代もありました。高機能なのに安い、見た目もアップルに寄せていたころもありまさしく、アップルを目指していると感じさせます。
現在は総合家電メーカーに舵を切り、スマートフォン以外にも電動バイク、空気洗浄機等数多くの製品を生産販売しています。
実は、私もこれまでいくつかシャオミに関する記事を書いています。
個人的にもシャオミには期待もしていましたし、好きだったのでこういうことがあると残念ですが、会社自体は悪くないと信じています。
孔子の故事について
おまけですが、謝罪文に書かれていた孔子の成句をご紹介します。
「益者三友、損者三友。友直、友諒、友多聞、益矣。友便辟、友善柔、友便佞、損矣」
【読み下し文】
孔子曰く、益者三友、損者三友。直(なお)きを友とし、諒(まこと)を友とし、多聞(たぶん)を友とするは益なり。便辟(べんべき)を友とし、善柔(ぜんじゅう)を友とし、便佞(べんねい)を友とするは損なり。
【通釈】
友には自己に有益な三種と、損を与える三種がある。正直な友、誠実な友、博学な友は益である。媚びへつらっている友、誠実さにかける友、口だけ達者な友は損である
まとめ
今回の鄭州大学でのシャオミ社員の発言が、日本と日本好きな人への嫌悪感からくるのか、または謝罪文の中にあるように単に場を盛り上げるための言葉であったのかわかりません。
しかし、これによりいい気持のしない人の方が多く、それは記事に対してのコメントでもわかります。
戦時下における日本への負のイメージが未だに中国に、中国人に残っていることは間違いのないことですが、それが経済界、民間交流にまで影響を与えることは百害あって一利なしです。
シャオミはかつて(今もかもしれませんが)日本への進出を検討していました。
シャオミの発展のためにも、日中の友好のためにも有益な関係でありたいと願うばかりです。
お読みいただきありがとうございました。
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