祝シャンシャン!日本語教師生活で出会ったおもしろい中国人名前
上野動物園のパンダに「シャンシャン(香香)」という中国風のかわいい名前がつきました。
この「中国語の名前」と「読み方」について、日本語で読むと面白いものがたくさんあります。教師生活でずっと思っていたことをシャンシャンフィーバーにあやかって発表してしまいたい!そう考えて書き出しています。
両親、親戚などから願いを込めて与えられた名前、日本語だとこんな意味になりますよ!と私は伝えるべきなのか…よろしければ、ご意見をお願いします。
中国語で考える日本人のおもしろい名前も書いています。併せてご覧ください。
シャンシャンと香香の関係、こんな名前が面白い
日本の漢字は中国から伝わってできたものですね。文字を持たなかった日本は当時の先進国中国の漢字を用い、言葉を表せるようにしたのです。
この漢字には中国の音をそのまま日本語に取り入れた音読みと、和語と呼ばれるそれまでの日本語の音をあてはめた訓読みの2種類があります。例えば「シャンシャン」の「香」は音読みでは「こう」や「きょう」、訓読みでは「かお(る)」です。
この漢字によって、日本人も中国人も双方に名前を訳すことが可能になります。
そして、時には面白い名前が誕生することがあります。
日本語の音読みで中国人名を訳したとき
普通中国人の名前は音読みで呼びますよね。つまり「王」という苗字の人は中国語発音の「ワン」さんではなく、「おう」さんです。恐らく言いやすいからでしょう。
こうして読んだとき、中国人の名前にびっくりすることがあります。実際にいた学生の戸惑った名前をご紹介します。
(※ 実在する人名なので、フルネームを記載する必要のある場合は一字を他の漢字に変更しています。そのため、中国語の発音は本人と違います)
えっ?と二度聞きしそうな名前
- 孟范静 もうはんせい (猛反省?)
A:部屋のドアちょっと開いてるけど、最後に入ったの誰?
B:私です。もうはんせいです。
A:いや、そんなに大したことじゃないから気にしなくて大丈夫だよ…。
- 張富鋼 ちょうふごう (超富豪?)
A:私の名前は「ちょうふごうです」よろしくお願いします。
B:え、資産どのくらいあるの?
A:全然ないですよ。
A:え?
- 宋双双 そうそうそう
A:Bさん、今年のクリスマスパーティーは20日ですよね?
B:そうでしたっけ、姚さん?
C:いえ、そう…そうそうです。
- 黄海 こうかい (後悔?)
A:今日からお世話になります…。こうかいです。
B:え、まだ初日なのに…。
- 張響香 ちょうきょうか (調教家?)
A:私はちょうきょうかです。
B:へー、馬とか犬とかですか?
ちょっと呼ぶのをためらいそうな名前
割と多いのが性に関する言葉に聞こえてしまう名前です。外国語を勉強する学生は女性が多いので、特に困りますね。
- 陳航 ちんこう
- 董婷婷 どうていてい
- 顧歓 こかん
- 姚珍珍 ようちんちん
- 猛敏敏 もうびんびん
対処法としては、リズムやアクセントを変えたり、中国語の発音をそのままつけたりしています。
中国語で考える日本人の変な名前
先ほどとは反対に、日本人の名前も中国人にとって奇妙に映ることがあります。
- 我妻○○
A:昨晚我和我妻洋子一起去唱歌了(昨晩「わがつまようこ」さんとカラオケ行ったよ)
B:啊?你娶了日本老婆啊?(え?日本人の奥さんもらったの?)
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日本語でも意味で考えれば同じ解釈になりますね。ただ日本では普通「我」は使わないので間違えないですが、中国は使いますので、勘違いするかもしれません。
- 我孫子○○
A:明天谁要去跟那家商谈?(明日誰が商談に行く?)
B:让我孙子俊彦去吧。(「あびことしひこ」に行かせよう)
A:你连结婚都没有,怎么、、、(結婚もしてないのに、どうして…。)
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こちらも漢字からわかりますが、「我孫子」は「私の孫」という意味なので誤解が生まれそうです。
- ○○小三郎
A:您贵姓?(お名前は?)
B:我名字有点长,请叫我小三吧(名前ちょっと長いので「こさぶ」と呼んでください)
A:这不合适吧(それはよくないでしょう)
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古い名前ですが、シワシワネームとか言われるもので現在でも名づける可能性があるかもしれませんね。「小三」は最近できた言葉で、意味は二号さん、おめかけさんのことです。
- 上床○○
A:你看!那房间是『上床研究室』(見て!あそこの部屋「うわとこ」研究室)
B :要不要进去?(入ってみようか?)
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「うわとこ」という人名が研究室の頭についているのですが、中国語ではそうなりません。
日本でも「とこ」と読めば、ねどこや布団そのものをさしますよね。つまり、ベッドに上がるという意味で、そこから転じて性行為をするという意味で使われます。
- ○○真二
A:我是真二(私は「しんじ」です)
B:你不是(いえ、あなたは違います)
A:我就是(いえ、しんじです!)
B:绝对不是(絶対に違います)
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「二」は中国語で馬鹿やアホという意味でも使われます。つまり、「真二」はそのままよむと「本当に馬鹿」となります。
まとめ
日中双方で使われている漢字のために日中の理解は簡単になります。しかし、それ故にとんでもない間違いや、勘違いを与えかねません。
日本語の音で中国語の名詞を表すと、面白い日本語の単語に代わったり、場合によっては卑猥な言葉にもなります。これは日本語の人名を中国語で考えても同じでした。日本では特に意味のない言葉であっても中国語ではとんでもない意味になったりするのです。
同じ漢字を使っているのに、このような現象が起こるのは面白いですね。
今後も面白い言葉があったら追加していきたいと思います。
お読みいただきありがとうございました。
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