『みんなの日本語』第13課・14課の難点、PPT&教室活動教材

日本語教育で使われている『みんな日本語』(スリーエーネットワーク)を基にパワーポイント教材、教室活動教材を作って授業をしています。市販・オリジナル教材もほぼ同じ順序で文型・表現が導入されていますので、皆様に参考にしていただけると思います。

また、本記事では主に中国人に対して授業を行う際の難点も併せてご紹介いたします。
その他の課は以下のページからご覧いただけます。
第13課の難しいポイント
第13課で学ぶ項目(文型・表現・単語)は主に以下の文型、表現です。
- ~が欲しいです
- ~たいです
- ~へ~に行きます
- どこか
希望を表す「~が欲しい」
この文型で間違えやすいのは2点あります。
1、私は留学が欲しいです。
2、私は水を欲しいです。
次に学ぶ「~たい」と混乱して上のような間違いが起きてしまいます。中国語では以下のように区別をするのですが、
1、我想留学
2、我想要水
これ以外に、以下のように同じ「要」を使って表現できるために、間違えることがあるのだと推測できます。
1、我要留学
2、我要水
希望を表す「~たい」
動詞のます形+たい
「勉強します」の影響が強いのか、「書きしたい」や「食べしたい」という間違いをよくききます。
目的の「~に」
中国語には助詞に当たるものがないと言えるので「へ」や「で」、「に」それぞれの使い方に困ります。
6課で「で」の前は「場所」と単純に覚えている場合は、この「~へ~に行きます」の文型も混乱がおきます。たいてい「~へ行きます」を5課で学んだ際に、「へ」は「に」でもいい、と教えられているので、更にややこしいでしょう。
どこか
中国語にはない表現のため、理解が難しいです。
昨日どこか行きましたか
(昨天去哪里了?/昨天去哪儿了吗?)
昨日誰が行きましたか
(昨天有谁去了?)
基本的には「吗?」で「か」の意味を表せますが、使わないこともあります。また、日本語の場合は助詞が何であっても語尾の「か」は必要なので、助詞を「か」に変えるのは理解と練習が必要です。
第14課の難しいポイント
第14課で学ぶ項目(文型・表現・単語)は主に以下の文型、表現です。
- て形
- てください
- ています
- ましょうか
て形
中国の学習者が特別難しいことはありません。「て形」はもともと覚えることが多く、またそれを上手に使えるようになるには時間が必要です。
難しい点ではありませんが、1点中国での日本語教育の際には注意点があります。
一般的に外国人に日本語を教える際は、我々が学校で習う国語文法ではなく、「ます形、て形、辞書形」などのいわゆる日本語文法とよばれるものを使って教えますよね。ですから、私も授業中はこの言葉を使って進めています。
しかし、中国人の先生が文法を教える場合、国語文法で教えることがよくあります。「未然形、連用形、終止形」等です。テキストもこれで書かれていることが多いです。
学生にとっては情報量が多ければ多いほど混乱につながりますし、そもそもどれとどれが同じことなのかわからないということもありますので注意が必要です。
ています
A:山田くん、どこ?
B:ジュースを買いに行っています。
この表現を中国語でいったときに、中国語で現在進行中の言葉を表す「在」や「着」を使うのをあまり聞きません。
A:山田在哪?
B:他买饮料去了/他刚去买饮料了
Bの「ています」の部分は「行きました」と表現します。もちろん日本語でも同じ表現はありますが、母語にない表現を外国語でするのは簡単ではないですね。
また、「ている」は様々な使い方があります。14課では現在進行中の動作、行為を表す使い方でわかりやすいですが、後々学ぶ表現は使い方が難しいものもあります。
ましょうか
「ませんか」との使い分けができない学習者が多くいます。
中国でも
・我来帮你吧!
・我们一起去玩,怎么样?
と使い分けがありますが、日本人なら「ませんか」を使うシーンでも「ましょうか」を使ってしまうことがよくあります。繰り返しの練習が必要でしょう。
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第十三課
内容:
- 第十三課パワーポイント
- 教室活動プリント
第十四課
内容:
- 第十四課パワーポイント
- 教室活動プリント
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