『みんなの日本語』第19課・20課の難点、PPT&教室活動教材

日本語教育で使われている『みんな日本語』(スリーエーネットワーク)を基にパワーポイント教材、教室活動教材を作って授業をしています。市販・オリジナル教材もほぼ同じ順序で文型・表現が導入されていますので、皆様に参考にしていただけると思います。

また、本記事では主に中国人に対して授業を行う際の難点も併せてご紹介いたします。
その他の課は以下のページからご覧いただけます。
第19課の難しいポイント
第19課で学ぶ項目(文型・表現・単語)は主に以下の文型、表現です。
- ~たことがあります
- ~たり、~たり
- くなりました
- ~になりました
た形はて形の応用なので、「て形」がしっかりしていればすんなり入れますね 。
経験「~たことがあります」
?去年映画を見たことがありません。
?先週寿司を食べたことがあります
この文型を作ること自体は何も難しくないですね。ただし「経験」という観点で使いこなすのは難しいようです。これは中国語の経験にあたる表現に使う「~过」が日本語のものと合致しないためでしょう。
これが理解できないことで「ていない」との使い分けができない学習者がたくさんいます。これは中国語では「ていない」、「たことがない」どちらも「没有」を使うことが影響していると思われます。
列挙『~たり、~たり』
- ? 掃除したり、洗濯します
- 「とか」や「し」との使い分け
話しの中で2つ目の「たり」が抜ける状況はあると思いますが、基本的には「~たり、~たり」となりますよね。しかし、学習者は「た形」を思い出すのに必死ということもありますね。
また、複数のものを列挙する「とか」や「し」を勉強すると使い分けができなくなることもあります。
太くなります・太ります
?太くなります
日本語では体重が増えることを太ると表現しますが、この形容詞の変化を勉強すると「太い」を使って「太くなります」と表現する学習者が非常に多いです。
- 太くなる(变粗)
- 太る(胖)
という違いがあるので、注意が必要です。
第20課の難しいポイント
第20課で学ぶ項目(文型・表現・単語)は主に以下の文型、表現です。
- 普通体を使う場面
- 「いいえ」の普通体
- 「ある・いる」の普通体
普通体を使う場面
日本語を勉強するきっかけがアニメという学習者が非常に多い中国ですが、それが原因で普通体で会話したがる人が多いようです。大学で専門的に勉強した人でも丁寧体を使わず、初めての人に対して普通体を話す人が少なからずいます。
普通体=親しみ、関係性がよい
丁寧体=距離感
単純にこのように感じている人がわりといます。これをしっかり教えるのも我々の役目ではないかと思います。
「いいえ」の普通体
これは毎年不思議で面白いと思うことなのですが、「いいえ」の普通体「ううん」が中国人には面白いようなのです。ここを練習するとだいたいどのクラスにも笑う人がいます。
どうやら中国では「ううん」が甘えている感じに聞こえるらしいのです。
ちなみに、「うん」について、丁寧語や敬語を離しているときでも中国人は「うん」を使うことがあります。これは中国語で「うん」を表す「嗯」が誰に対しても使えるためでしょう。
「ある・いる」の普通体
これも中国語話者関係がありませんが、否定形には注意が必要です。
「あらない」「いらない」などと間違える学習者がいます。
PPTと教室活動教材ダウンロード(無料 )
日本語教育第十九課及び第二十課の授業で、あるいは授業準備の参考としてお使いいただけそうなオリジナル副教材を配布致します。ダウンロードは下記ボタンよりダウンロードしてお使いください。
第十九課
内容:
- 第十九課パワーポイント
- 教室活動プリント
第二十課
内容:
- 第二十課パワーポイント
- 教室活動プリント
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