海外旅行のWiFiにVPNが必須な2つの理由

『VPN』をご存知でしょうか。中国に滞在もくは旅行経験のある方なら利用したことがある方も多いでしょう。また、会社によっては社内のネットワークにVPNを使っているところもあるかもしれません。
この設備を構築した上で接続することで壁を設け、外部からの侵入危険度を減らすことができます。つまり、セキュリティ対策の一種と考えられます。
では個人の利用ではどうでしょう。必要のないものなのでしょうか。答えは「いいえ」です。あまり馴染みのないものではありますが、以下の利用が多い方はVPNの導入を検討されたほうがよいかもしれません。
- 出先での無料Wi-Fiを使う
- レストランで食事中Wi-Fiを使う
- 泊まったホテルのWi-Fiを使う
- 空港での無料Wi-Fiを使う
こんな状況でWi-Fi使う方多いと思います。特に、出先や海外旅行に行くときは通信量を考えますので、無料Wi-Fiがあれば利用してしまいがちです。当然ですよね。しかし、実は頼り切っている無線Wi-Fiには危険が潜んでいます。
どんな点が危ないのか、では海外でも出先でも安全にWi-Fiを使うためにはどうしたらよいかお話したいと思います。
無料Wi-Fiに潜む危険性
便利になったネット世界ですが、その反面サイバー犯罪の巧妙化はすすんでおり、被害にあう人も多数います。中には自分が被害にあっていることすら気がつかなで日々を過ごしている人もいます。その間にどんなことが起きるか例を見てみましょう。
- 利用端末内の写真や動画の流出
- パスワードが盗まれる
- ショッピングサイト、アプリケーションのログイン情報が盗まれる
- クレジットカード情報が盗まれる
- コンピューターウイルスなど悪意のあるものを埋め込まれる
- 端末を遠隔操作される
今や個人情報が売れる時代ですから、怖いものです。またプライベートや仕事上の重要な情報が流れたり、クレジットカードやパスワードが流出すれば金銭的なダメージも受けかねません。
どうやって情報が流出するのか

個人情報が抜き取られる
付近でとんでいるWi-Fiの一覧に表示されるSSID(ネットワークキー)が本物ではない可能性があります。例えば、スターバックスに行って正規のものと同じSSID、パスワードも店で使っているものと同じかもしれません。ルーター名もパスワードも個人で同じだとしたら、見分けがつきません。
本物だとしても暗号化が強固でしっかりとセキュリティ対策されていないと、入り込まれてしまいます。場所によってはその利便性からパスワードを設けていないところもありますし、WEPなど暗号化のレベルが低いところもあります。
海外で安全にWi-Fiでネット利用
危険性を0にしたいのであれば、極論「インターネットを使わない」ということになってしまいます。Wi-Fiに限らずメールに添付されたウイルスやウェブサイトそのものの暗号化などの危険がありますからね。しかし、使わないなんてことは今の時代ほとんど不可能ですので、無料Wi-Fiを使う前提で考えてみたいと思います。
パスワードのないWIFIを使わない
パスワードが設定されていないWi-Fiは他の人が簡単に同じネットワークに入り込むことができます。ラッキーと思わずに、何か罠があるかもしれないと考える必要があります。
暗号化されたWi-Fiを使う
Wi-Fiを利用する際にそのWi-Fi自体が暗号化されているか確認したほうがいいです。ただし、公衆Wi-Fiとなると確認が難しいですね。
一般的なページのみを閲覧
あるサイトの利用にログインやパスワードの入力が必要な場合がありますが、Wi-Fi利用下で行わないことも対策となります。また、アクセスするサイトが「https:(Sがついているか)」又は「🔒」が表示されているかで判断してアクセスします。
VPNを使ってアクセスする
VPNは通信を暗号化するシステムです。通信に侵入されても内容が暗号化されているため解読ができない、あるいは難しくなります。
VPNでWi-Fi利用危険性を解決
VPNを使ってアクセスするとトンネリングと、暗号化という2種類が行われるようになります。それによって内容の盗み出しと解読が難しくなります。
VPNを使ったネットワークイメージ

トンネルを作って2つの間を通すことをトンネリングといいます。内部の情報はカプセル化してやり取りされます。また暗号化を行うことで、万が一侵入されても解読がしにくくなります。
みなさんがWiFi利用時等にVPNを使うことでハッカーや犯罪を目論む人から存在が検知しにくくなります。仮に見えて情報を取りに行ったところでカプセル化して変装しているためわかりにくく、且つ暗号化することで、開ける(解読する)ことが困難になるのです。
もちろん、100%安全ということはありませんが、無防備で手に財布を持って強盗の多い街に繰り出すことが危ないのは誰でもわかります。お金のなさそうな様子に変装して、且つチャックつきのバッグに入れて見えないように行動したら安心ですよね。
VPNプロトコルの種類と安全性
VPNと一言で言っても時代の移り変わりと技術の革新により種類もいくつか生まれています。それぞれが安全性、スピード等に違いがあります。現在主に使われているのが以下のものです。
- PPTP
- L2TP
- IKeV2
- OPEN VPN
それぞれの簡単な特徴を挙げて比較したいと思います。
PPTP(Point-to-Point Tunneling Protocol)
VPNの歴史で最長老のプロトコルです。90年代に登場した後Windows95から使用されるようにあなりました。特徴としては設定が簡単且つ計算能力が早いことが挙げられます。ただし、セキュリティ上の脆弱性が存在し、今ではデータを盗もうとする人であれば簡単に入り込めるため、決して安心して使えるプロトコルではありません。
L2TP(Layer 2 Tunneling Protocol)/IPsec
VPNの特徴として、暗号化があると上述しましたが、L2TPプロトコルにはその機能がありません。Lカプセル化を行います。そこに、通信のIPパケットをESPで暗号化するIPsec(Internet Protocol security)を併用し安全性を確保します。こちらの特徴はPPTPにくらべ安全性がありますが、高速とは言えない点、ファイアウォールにブロックされることがあるなどが挙げられます。
IKEv2(Internet Key Exchange version 2)
こちらは暗号化の鍵交換に使われるプロトコルで厳密にはVPNプロトコルではありません。IPsecの暗号化に用いられたりします。L2TP/IPsecに比べて速いです。接続も安定しています。
Open VPN
OpenVPN Technologiesによるオープンソースです。オープンであることが却って改良や、欠陥への迅速な対応、解決に繋がります。プロトコルはUDP、TCPの2つがありますが、UDPは音楽や動画に向いている、TCPはWEBやメールなどの通信に向いているなどありますが、現在はこのOPEN VPNが高速で安全性も高く人気があります。
海外で日本のサービスが使えないを解決
海外で使うのにセキュリティ用途に気をつけるという話をしてまいりましたが、もう1つぜひともVPNを導入したい理由があります。それが海外で日本のサービスが使えない不便を解決するためです。このような情況が生じるには2パターンあります。
1 日本国外での利用が制限されているアプリ
2 情報規制のため海外の情報やサービスに制限がある国
エリア限定となっているサービスを域外でも利用できるようになる理由を簡単にお話します。VPNにはカプセル化しトンネルを通すとお話しましたが、VPNを設定した端末からアクセスすることで、選択したVPNサーバーまで本来のアドレスを検知されることなく直通でアクセスできるようになります。この時、認識されるのはVPNサーバーの位置で、つまりサービスが行われている(自分が希望する)地域となります。
日本国外の利用制限もVPNで回避
日本のみでの利用に限定されているサービスは意外とたくさんあります。
- 雑誌見放題サービス
- ゲームアプリなどのダウンロード
- 月額制の動画サイト
- Tverなどテレビ番組視聴
- ラジオ聴き放題のRadiko
旅行など数日で日本に帰国するのであれば我慢できる人が大方だと思いますが、手放すことができない方もいらっしゃると思います。また、せっかく月額費用を払っているのでという方や、見たい作品がちょうど旅行中に配信されたという情況もあります。ラジオも好きなリスナーの番組があって毎週欠かさず聞いているという方もいらっしゃるでしょう。
中国など情報規制国でVPN
ご存じの方が多いと思いますが、中国(大陸)では情報統制、情報規制があり多くの海外サービスが利用できなくなっています。
LINE、Instagram、Twitter、Facebook、Google(メール、検索、You Tube)、Yahoo!検索、Amazon、ニコニコ動画等
このような日本でよく使われるサービスがほとんど使えません。仕事にも支障がでるばかりか家族や友人との連絡もできないのですから困りますよね。
中国以外でもネット規制を行っている地域は世界にたくさんあります。イラン、サウジアラビア、ベトナム、ミャンマーをはじめ世界ではたくさんあります。ただし気をつけなければならないのはこのような国家ではVPNの使用自体を禁止し罰則を設けているところもあります。
中国では規制を強化するという話はありますが、中国の無許可営業の業者が摘発された程度で、個人利用については問題ありません。
海外利用おすすめVPNサービス5社
セキュリティの違いは差がありますし、その他もスピード、利用可能量、対応国、月額費など違いがあります。比べてみないとなかなかわからないものですが、無料でお試し期間が設けられているところが多いですので、まずはこれで試されるとよいかと思います。
Express VPN

特に中国での利用におすすめ度No.1です。つながりやすや安定度、スピードなど素晴らしいです。またサイトを訪れてみるとおわかりだと思いますが、VPNについて日本語で詳しくかかれているので、よくわからない方でも安心できる良さがあります。唯一のデメリットは他と比べて料金が高めな点です。
Nord VPN

サーバーの数が非常に多いのが特徴です。日本にも96も設置されているので、仮に選んだもののスピードが遅くても他の選択肢が豊富に用意されています。また、月額料金も安いので導入しやすいかと思います。
Surfshark VPN

安いのに必要最低限以上のサービスで、同時利用のできるデバイスも無制限という太っ腹な会社です。現在中国でも使えますので、安さという観点からみても世界中でおすすめといえそうです。デメリットとしては少しサーバーが遅いことがあるのと、サーバー数が少なめなところです。
ふぐ VPN

上の3つは海外のサービスでしたが、こちらは日本の会社が行っているVPNです。ふぐ意外にも日本のサービスもいくつか存在するのですが、わりとよく中国の規制にかかっていましたので、規制に強いこちらをご紹介しました。
高い、データ通信の制限がある、無料期間がないなどデメリットと言えるところもありますが、規制に強いのはピカイチです。
Millen VPN

日本の大手レンタルサーバーmixhostが新たに始めたVPNサービスです。日本語でのサポートが必要な方は安心できます。
※ こちらのVPNはまだ中国での利用のチェックをしていません。
おすすめVPN5社の比較表
Express VPN | Nord VPN | Surfshark VPN | ふぐVPN | Millen VPN | |
---|---|---|---|---|---|
1ヶ月コース | 12.98$ | 11.95$ | 1,285円 | ☓ | 1,480円 |
3ヶ月コース | ☓ | ☓ | ☓ | 10$~ | ☓ |
半年コース | 9.99$ | ☓ | ☓ | 8.5$~ | ☓ |
1年コース | 8.32$ | 6.99$ | 645円 | 6.5$~ | 980円 |
2年コース | ☓ | 4.99$ | 215円 | ☓ | ☓ |
3年コース | ☓ | 3.49$ | ☓ | ☓ | 880円 |
返金保証 | 30日 | 30日 | 30日 | ☓ | 30日 |
サーバー数 | 94ヶ国 3,000以上 | 59ヶ国 5,140 | 63ヶ国 1700以上 | 不明 | 50数カ国 1300以上 |
同時使用 | 5台 | 6台 | 無制限 | 5台 | 5台 |
どこで使うか、用途は何かで決めたらよいかと思います。数日の旅行や出張などであれば、多くがお試し期間に当たる返金保証がありますので、「ふぐVPN」以外であればどれでも良いのかなと思います。
中国で使われる方は最初の4つ、長期的に使う予定の方は安定性とスピードに優れている「Express VPN」です。確実につながるのは「ふぐVPN」ですが、お試しができないので、いざというときのために他のも入れておくとよいかもしれません。
お読み頂きありがとうございました。
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